自動車整備 / 車検 / 特定整備認証 / 指定工場 / OBD検査 / 古物商

自動車整備・車検フランチャイズ加盟前に確認する特定整備認証・指定工場・OBD検査

自動車整備・車検FCは、集客や車検単価より先に、加盟店が特定整備を行うのか、認証工場・指定工場のどちらを目指すのか、OBD検査と電子制御装置整備に対応できるのかを確認します。「本部が集客する」「未経験でも車検収益を作れる」という説明だけで判断せず、許認可の名義、整備主任者・自動車検査員、スキャンツール、車両持込の有無、中古車・中古部品販売の古物営業まで書面で確認することが重要です。

結論:車検FCは「取次」か「整備事業」かで必要な体制が変わる

自動車整備・車検のフランチャイズは、予約取次、車検代行、認証工場、指定工場、出張整備、中古車販売併設で責任が大きく変わります。加盟前に、加盟店が特定整備を行うのか、提携工場へ送客するだけなのか、指定工場として保安基準適合証を交付するのかを分けて確認します。

  • 国土交通省は、特定整備を行う場合、地方運輸局長の認証が必要だと案内しています。
  • 指定工場は、認証工場のうち設備、技術、管理組織、検査設備、自動車検査員などの基準を満たした工場です。
  • OBD検査は2024年10月1日から対象車両の車検で実施され、輸入車は2025年10月1日以降の車検で実施されます。
  • 中古車・中古部品の買取販売を扱う場合、整備認証とは別に古物商許可、相手方確認、帳簿、非対面確認の運用を見ます。

加盟前に確認する比較表

同じ「車検FC」「自動車整備FC」でも、実態は大きく異なります。加盟説明会では、次の表を使って本部の事業モデルを分類してください。

モデル 加盟前に見る書類 判断基準 赤信号
車検予約・取次 顧客向け表示、提携工場契約、手数料規程、苦情対応 加盟店が特定整備を行わず、認証工場・指定工場へ明確に接続している 整備をしないのに「自社車検」「整備保証」と表示する
認証工場モデル 自動車特定整備事業の認証、対象装置、作業場、従業員、整備主任者 分解整備・電子制御装置整備の範囲と、事業場内での作業体制が合っている 本部の認証を加盟店が借りられるように説明する
指定工場モデル 指定自動車整備事業の指定、自動車検査員、検査設備、保安基準適合証の運用 車両持込を省略できる範囲と検査責任、監査対応、検査員不在時の運用が明確 指定取得前から民間車検場と同じ営業を前提に収支を出す
出張・訪問整備 訪問特定整備の届出、実施規程、作業場所、持出機材、記録簿 認証工場が届出のうえ、制度上認められる範囲で事業場外作業を行う 無認証の加盟店に特定整備を出張で行わせる
中古車・中古部品併設 古物商許可、相手方確認、帳簿、ネット表示、非対面買取の本人確認手順 車両・部品の買取販売と整備事業を別の許認可・記録で管理できる 免許証画像だけでオンライン買取を進める

特定整備認証:分解整備だけでなく電子制御装置整備も見る

国土交通省は、自動車の特定整備を行う場合、地方運輸局長の認証を受ける必要があると案内しています。認証工場は、一定規模の作業場、作業機械、特定整備に従事する従業員を有する工場に対して認証されます。2020年3月以前の自動車分解整備事業から、自動車特定整備事業へ制度が広がっています。

特定整備には、エンジンやブレーキなどを取り外して行う分解整備に加え、自動ブレーキなどに使われるカメラやレーダーの調整、自動運行装置の整備などを行う電子制御装置整備が含まれます。電子制御装置整備では、電子制御装置点検整備作業場、従業員、整備用スキャンツール等の要件が問題になります。

加盟前には、本部が示す「整備メニュー」が認証範囲に入るか、加盟店ごとの事業場認証が必要か、電子制御装置整備の整備主任者等資格取得講習の修了者を誰にするか、整備記録簿をどのシステムで保存するかを確認してください。

作業範囲を見るオイル交換、タイヤ交換、鈑金、分解整備、電子制御装置整備を同じ「整備」とまとめない。
認証名義を見る認証は事業場単位の問題です。本部の設備や提携先の認証で加盟店作業が当然に覆われるとは限りません。
人員を見る整備士、整備主任者、自動車検査員の配置を、休日・退職時の代替まで確認します。
設備を見るリフト、作業場、スキャンツール、エーミング関連機材、整備情報へのアクセスを確認します。

認証工場と指定工場:車検の収支計画で混同しない

国土交通省は、認証工場と指定工場の違いを明確に説明しています。認証工場に車検を依頼した場合、認証工場は運輸支局や自動車検査登録事務所などへ車両を持ち込んで検査を受けます。一方、指定工場では、自動車検査員が検査し、保安基準適合証を交付することで、運輸支局等への車両持ち込みを省略できます。

フランチャイズの収支表では、1日あたり車検台数、代車台数、検査待ち時間、人員稼働、検査員給与、検査設備、監査対応が利益に影響します。指定工場取得前から指定工場前提の台数で損益分岐点を作っていないか、認証工場の段階で外部検査へ持ち込む時間と搬送コストを見込んでいるかを確認しましょう。

  • 開業時点では認証工場ですか、指定工場ですか、それとも提携工場への取次ですか。
  • 指定工場を目指す場合、設備投資、検査員採用、指定取得までの期間を誰が見積もっていますか。
  • 保安基準適合証、検査員の不在、検査設備故障、監査時の是正はどの規程で管理しますか。
  • 車検整備と一般整備、鈑金、タイヤ、保険代理、販売手数料を分けた収支が出ていますか。

OBD検査:2024年10月以降の車検オペレーションを見る

国土交通省は、OBD検査について、2024年10月開始の概要を公表しています。対象は2021年10月1日以降の新型車で、輸入車は2022年10月1日以降の新型車です。車検での実施は国産車が2024年10月1日以降、輸入車が2025年10月1日以降とされています。

整備事業者向けページでは、OBD検査、OBD確認、OBD点検の違いも説明されています。OBD検査は継続検査でOBD検査対象装置が保安基準に適合する状態か確認するものです。OBD確認は自動車特定整備事業者がOBD検査用サーバーへ接続して基準適合を確認する任意の行為で、適合判定後5日以内なら検査コースでのOBD検査が原則省略されます。OBD点検は2021年10月1日から追加された法定点検の一種です。

加盟前には、検査用端末、アプリ、通信障害時の手順、アップデートエラー時の連絡記録、対象車両の判別、スタッフ教育、顧客への説明文言を確認してください。OBD対応は「スキャンツールを買えば終わり」ではなく、検査・点検・整備・記録の業務設計です。

訪問特定整備:出張修理モデルは2025年開始制度を前提に確認する

国土交通省は、認証工場が一定のルールの下でユーザーの自宅や運送会社の作業場など事業場外を訪問して特定整備を行える「訪問特定整備」制度を案内しています。中国運輸局は、同制度について2025年6月30日施行と説明し、認証を受けていない整備工場は訪問特定整備を行えないと案内しています。

出張整備や法人車両メンテナンスを売りにするFCでは、訪問特定整備の届出、作業場所、機材の持出し、作業記録、事故時対応を必ず見ます。加盟店が無認証のまま現地でエンジン、ブレーキ、電子制御装置に関わる作業を行う設計なら、契約前に管轄運輸支局へ確認すべきです。

中古車・中古部品:古物商許可と非対面確認を別枠で見る

整備・車検FCに、中古車買取、中古部品販売、タイヤ・ホイール買取、リユース部品のEC販売が含まれる場合は、古物営業法の確認が必要です。e-Gov法令検索の古物営業法では、古物商は許可を受けて古物営業を営む者とされています。警視庁は、古物商には相手方の確認義務や、インターネット取引時の許可公安委員会名、許可証番号、氏名または名称の表示義務などがあると説明しています。

非対面で買い受ける場合は特に注意が必要です。警視庁は、インターネット、FAX、電話などで取引相手と対面しない買取では、相手方が申し立てた住所・氏名等が真正か確認する必要があり、免許証等のコピーを送ってもらうだけでは違反だと説明しています。

また、2025年10月1日施行の古物営業法施行規則改正では、1万円未満の買受時にも相手方確認と帳簿等記載が必要な物品として、エアコン室外機、電気温水機器のヒートポンプ、電線、金属製グレーチングが追加されています。自動車整備FCでも、金属スクラップや部材買取を副収益に入れる場合は、古物営業と廃棄物・リサイクルの線引きを確認してください。

本部へ聞く質問リスト

説明会で口頭確認して終わらせず、加盟契約書、事業場図面、認証・指定の写し、提携工場契約、検査手順、古物台帳のサンプルまで確認します。

  • 加盟店は特定整備を自社で行いますか。行う場合、どの事業場で、どの認証範囲で行いますか。
  • 開業時点の工場区分は、取次、認証工場、指定工場のどれですか。指定取得前後で収支表は分かれていますか。
  • 電子制御装置整備の整備主任者、講習修了者、スキャンツール、エーミング情報の入手体制はありますか。
  • OBD検査・OBD確認・OBD点検の担当、端末、アプリ、通信障害時の手順、記録保存は誰が管理しますか。
  • 訪問特定整備を行う場合、届出、作業場所、持出機材、実施規程、対象作業の制限を確認済みですか。
  • 車検不適合、再入庫、リコール、整備不良、事故発生時の責任分担と保険は契約書にありますか。
  • 中古車・中古部品・タイヤ・ホイールの買取販売を扱う場合、古物商許可と非対面本人確認は誰が担いますか。
  • 自動車検査員や整備士が退職した場合、営業停止、外注、提携工場移送、顧客対応の代替策はありますか。

関連して確認したい記事

自動車整備・車検FCは、車両管理、労務、固定費、許認可の確認とつながります。以下もあわせて確認してください。

車検FCは、整備責任を分解できる人ほど比較しやすい

自動車整備・車検FCの良し悪しは、車検台数や粗利率だけでは判断できません。認証・指定・OBD検査・訪問特定整備・古物商のどこまでを加盟店が負うのか、事故時と不適合時の責任がどこに残るのかを確認してから比較しましょう。

店舗経営者倶楽部は、加盟前に本部以外の視点で契約条件、固定費、撤退条件、現場運用を整理したい方向けの審査制コミュニティです。制度確認と収支の見立てを分けて検討したい方は、公式ページで概要を確認してください。

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自動車整備・車検FCの認証・指定・OBD検査でよくある質問

車検フランチャイズは認証工場でないと加盟できませんか?

モデルによります。車検の予約取次やユーザー車検代行に近い設計なら、加盟店が特定整備を行わない場合もあります。ただし、点検整備を受ける、分解整備や電子制御装置整備を行う、車検整備込みで販売する場合は、認証工場または指定工場との関係を確認すべきです。国土交通省は、車検時に点検・整備も依頼する場合は一般的に特定整備を伴うため、認証工場または指定工場であることを確認するよう案内しています。

指定工場と認証工場は何が違いますか?

認証工場は、自動車の特定整備を行うために地方運輸局長の認証を受けた工場です。指定工場は、認証工場のうち、設備、技術、管理組織、検査設備、自動車検査員の選任など一定の基準に適合し、指定自動車整備事業の指定を受けた工場です。指定工場では、保安基準適合証により運輸支局等への車両持ち込みを省略できる扱いがあります。

OBD検査や電子制御装置整備は小規模工場でも関係しますか?

関係します。OBD検査は2024年10月1日から対象車両の車検で実施され、輸入車は2025年10月1日以降の車検から対象です。電子制御装置整備は、自動ブレーキ等に使われるカメラやレーダーの調整などを含み、特定整備認証、整備主任者等資格取得講習、整備用スキャンツールなどの体制確認が必要になります。

中古車販売や中古部品販売を併設する場合は何を確認しますか?

中古車や中古部品を買い受けて販売するなら、古物商許可と相手方確認、帳簿等の記録、インターネット取引時の表示、非対面買取の本人確認方法を確認します。警視庁は、免許証コピーの送付だけでは非対面取引の確認として不十分と説明しています。整備FCの本部資料に中古車買取やリユース部品販売が含まれる場合は、整備認証とは別に古物営業の運用を見ます。

編集方針・免責

本記事は、フランチャイズ加盟検討者が自動車整備・車検FCの認証、指定、OBD検査、訪問特定整備、古物商許可を整理するための一般情報です。特定の本部、整備工場、加盟店の許認可可否、収益性、法的責任を保証するものではありません。

主な一次出典:国土交通省「自動車整備工場には認証工場と指定工場があります。その違いは?」「自動車特定整備事業について」「自動車の電子的な検査(OBD検査)について」「OBD検査を実施するにあたって(整備事業者向け)」「訪問特定整備制度について」、中国運輸局「自動車整備事業」、e-Gov法令検索「道路運送車両法」「古物営業法」、警視庁「古物商許可申請をされる方へ」「非対面取引における確認の方法」「古物営業法施行規則の一部改正について」。確認日:2026年8月11日。

運営主体:フランチャイズ比較ガイド編集部。公開日・更新日:2026年8月11日。