労務手続き / 従業員雇用 / 開業準備

フランチャイズ開業前に確認する労働保険・社会保険・36協定

従業員を雇うFCは、加盟契約や物件契約だけでなく、労働保険、社会保険、雇用保険、36協定、労働条件通知書を開業前に確認します。本部の求人・研修支援があっても、雇用主としての手続きと賃金・シフト管理の責任は加盟店側に残ることがあります。

結論:従業員を雇う前に「保険・協定・労働条件」を本部支援と分けて確認する

フランチャイズ本部が採用媒体、求人原稿、研修、シフト表、雇用契約書ひな形を用意していても、加盟店が従業員を雇うなら、労働保険や社会保険の加入要否、36協定の届出、労働条件の明示、勤怠管理、給与計算を自店舗の条件で確認します。特に飲食、美容、清掃、学習塾、買取、無人店舗の巡回管理など、人を雇うモデルでは、初月から残業、深夜、休日、研修、欠員対応が発生し得ます。

  • アルバイトを含む労働者を雇う場合、まず労働保険の成立手続きを確認します。
  • 法人加盟は、代表者だけの事業所でも健康保険・厚生年金保険の適用を確認します。
  • 時間外労働や休日労働を予定するなら、開業前に36協定の締結・届出を確認します。
  • 2024年4月以降の労働条件明示ルールに合わせ、就業場所・業務の変更範囲などを雇入れ時に明示します。

この記事は2026年7月21日に、厚生労働省、日本年金機構、e-Gov法令検索の公開情報を確認して作成しました。業種、法人・個人事業、従業員数、週所定労働時間、雇用見込み、役員報酬、所在地で必要手続きは変わるため、所轄の労働基準監督署、ハローワーク、年金事務所、社会保険労務士へ確認してください。

この記事で満たす検索意図

「フランチャイズ 労働保険」「FC 社会保険」「フランチャイズ 36協定」「加盟店 アルバイト 雇用」で検索する人は、加盟後にスタッフを雇う場合の手続き、社保負担、人件費の見落とし、本部テンプレートの使い方を知りたい段階にいます。本記事では次の疑問に答えます。

  • FC加盟店が従業員を雇うとき、最初に確認する保険は何か。
  • 法人加盟と個人事業加盟で、社会保険の見方はどう変わるか。
  • 36協定、労働条件通知書、勤怠管理をいつ準備するか。
  • 本部の採用・研修支援を、加盟店の法定手続きとどう分けるか。

一次情報で確認できる基本ルール

厚生労働省は、労働者を一人でも雇用していれば労働保険に加入する必要があると案内しています。労働保険は、労災保険と雇用保険を総称する制度で、保険料の申告・納付、成立手続、年度更新などの手続きがあります。開業直後に短時間アルバイトだけを雇う場合でも、まず労働保険の適用を確認します。

日本年金機構は、常時従業員を使用する法人事業所は事業主のみの場合を含め、厚生年金保険および健康保険の加入が法律で義務づけられると案内しています。また、常時5人以上の従業員が働く事務所、工場、商店等の個人事業所も原則として対象ですが、飲食店、クリーニング業、ビル清掃業など一部サービス業には例外があります。法人化して加盟する場合は、代表者だけで始める計画でも年金事務所への確認が必要です。

厚生労働省の時間外労働の解説資料は、時間外労働や休日労働を行わせるには、労働基準法第36条に基づく労使協定の締結と、所轄労働基準監督署長への届出が必要と説明しています。主要様式ダウンロードコーナーでは、一般条項、特別条項などの36協定届様式が公開されています。

厚生労働省は、2024年4月から労働条件明示のルールが改正されたと案内しています。全ての労働者に対して、就業場所・業務の変更範囲などの明示事項が追加され、有期契約労働者には更新上限や無期転換申込機会などの明示も関係します。FC本部の雇用契約書ひな形を使う場合も、自店舗の条件に合わせた修正が必要です。

出典確認日:2026年7月21日。制度、様式、提出方法、電子申請の扱いは更新されるため、開業時点では各公式ページと所轄窓口で再確認してください。

開業前に分けて見る労務手続き

確認項目 主な対象 加盟前に見るポイント 本部へ聞くこと
労働保険 労災保険、雇用保険、保険関係成立、年度更新 アルバイト、パート、社員を雇う予定があるか。労働者を雇う初日までに、誰が手続きを行うか。 開業前チェックリストに労働保険の成立手続が含まれるか。社労士紹介はあるか。
社会保険 健康保険、厚生年金保険、新規適用届、資格取得届 法人加盟か個人事業加盟か。代表者のみ、常時5人以上、短時間労働者の条件をどう確認するか。 収支モデルに会社負担分の社会保険料が入っているか。店長雇用時の想定給与は税込み・社保込みか。
36協定 時間外労働、休日労働、一般条項、特別条項 営業時間、仕込み、閉店作業、棚卸し、研修、欠員対応で残業や休日労働が発生するか。 標準シフトで法定労働時間を超えないか。繁忙期やオープン初月の応援体制はあるか。
労働条件明示 労働条件通知書、雇用契約書、有期契約、更新上限 就業場所、業務内容、変更範囲、賃金、休憩、休日、契約更新、社会保険適用を明示できるか。 雇用契約書ひな形は2024年4月以降の明示事項に対応しているか。
勤怠・給与 出退勤記録、休憩、深夜、残業、割増賃金、給与計算 POSや予約システムと勤怠システムが連動するか。締め日と支払日、給与計算の担当を決めているか。 本部指定システムで勤怠・給与まで管理できるか。できない場合の推奨ツールはあるか。
就業ルール 服務規律、制服、SNS、個人情報、ハラスメント、退職 ブランドルールと雇用主の就業ルールが矛盾しないか。退職時の貸与品、顧客情報、競業の扱いを確認する。 本部マニュアルの拘束力と、加盟店の就業規則・雇用契約の関係を説明できるか。

FC本部の採用支援と加盟店の法定手続きを分ける

加盟検討時に「採用支援あり」と書かれていても、支援の中身は求人媒体の紹介、原稿作成、面接マニュアル、研修動画、初期研修、採用管理システムなどに分かれます。法定手続きや給与計算まで含まれるとは限りません。

本部支援求人原稿、採用媒体、面接質問、研修資料、シフト例、接客マニュアル、ユニフォーム基準など。
加盟店責任雇用契約、労働条件明示、保険手続き、勤怠管理、給与計算、割増賃金、休憩・休日管理など。
外部専門家社会保険労務士、税理士、給与計算代行、勤怠システム会社など。費用が収支計画に入っているかを見ます。
本部に確認する資料標準人員表、モデルシフト、月間労働時間、研修時間、採用単価、離職率の開示可否を確認します。

業態別に見落としやすい労務リスク

労務負担は「従業員数」だけで決まりません。営業時間、予約集中、資格者要件、深夜帯、土日稼働、急な欠員、本部研修の移動時間などで変わります。

業態 見落としやすい点 加盟前の判断基準
飲食FC 仕込み、閉店作業、深夜営業、急な欠員、外国人スタッフ管理、研修中の労働時間。 標準シフトが休憩込みで成立するか。オープン初月の残業前提を本部がどう見積もっているか。
美容・リラクゼーションFC 資格者・経験者採用、指名予約、閉店後練習、研修期間、施術者の離職。 研修時間が労働時間になる場面、営業時間外の練習、店長候補の社会保険負担を試算する。
学習塾FC 夕方以降・季節講習・講師シフト・個別指導の欠員対応。 繁忙期だけの講師増員、契約更新、授業準備時間、保護者対応時間をシフトに入れる。
買取・サービスFC 単独店長への依存、営業時間の長さ、防犯・締め作業、土日対応。 店長退職時にオーナーが代替できるか。店舗を閉めずに採用・引き継ぎできる余裕を見る。
無人店舗・巡回型FC 無人でも清掃、補充、トラブル対応、深夜呼び出し、巡回スタッフが必要な場合がある。 本当に無人で回る範囲と、人の巡回・緊急対応を外注する範囲を分ける。

加盟前面談で聞く質問リスト

本部面談では、売上モデルだけでなく、雇用主としての実務がどこまで発生するかを確認します。

  • 標準店舗の人員数、雇用区分、週所定労働時間、月間総労働時間のモデルを見せてもらえますか。
  • 収支モデルの人件費には、会社負担分の社会保険料、労働保険料、採用費、給与計算費、社労士費用が含まれていますか。
  • 雇用契約書、労働条件通知書、就業規則、36協定届のひな形はありますか。最終更新日はいつですか。
  • 本部研修、開業前研修、オンライン研修、閉店後練習は労働時間としてどう扱う想定ですか。
  • 勤怠システム、給与計算、年末調整、社会保険手続きは本部指定ですか、加盟店が自由に選べますか。
  • 急な欠員、長期休職、退職、店長交代が起きたとき、本部の応援・代替人員・採用支援はどこまでありますか。
  • 深夜営業、休日営業、営業時間延長、催事対応がある場合、標準店舗は36協定をどう運用していますか。
  • 既存加盟店で、労務手続きや社会保険料の見落としが問題になった例はありますか。

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労働保険・社会保険は、人件費、採用支援、店長雇用型モデル、収支計画とつながります。以下の記事も合わせて確認してください。

労務負担まで含めてFCを比較する

人を雇うフランチャイズでは、ロイヤリティよりも人件費、採用費、社会保険料、欠員時のオーナー稼働が利益を左右することがあります。加盟前に、標準シフトと実際の労務手続きを自分の店舗条件で組み直してください。

店舗経営者倶楽部は、実店舗オーナーや開業予定者が店舗経営の基本を学び、現場の情報を交換する審査制コミュニティです。本部以外の目線で人件費、採用、労務、店長運営を整理したい方は、公式ページで概要を確認してください。

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フランチャイズ開業時の労働保険・社会保険でよくある質問

アルバイトを1人だけ雇うフランチャイズでも労働保険は必要ですか?

厚生労働省は、労働者を一人でも雇用していれば労働保険に加入する必要があると案内しています。雇用形態の呼び方ではなく、実際に労働者を雇うかで確認します。

法人でFC加盟する場合、代表者だけでも社会保険の手続きが必要ですか?

日本年金機構は、常時従業員を使用する法人事業所は事業主のみの場合を含め、厚生年金保険および健康保険の加入が法律で義務づけられると案内しています。役員報酬の有無や勤務実態を踏まえて年金事務所などへ確認してください。

36協定は開業後に残業が出てから出せばよいですか?

時間外労働や休日労働を行わせる場合は、労使協定の締結と所轄労働基準監督署長への届出が必要です。開業初月から営業時間延長や棚卸し、研修、欠員対応が想定される業態では、採用前に準備します。

本部が雇用契約書やシフト表をくれるなら加盟店側の確認は不要ですか?

不要にはなりません。本部テンプレートは便利ですが、雇用主は加盟店側になることが多いため、自店舗の就業場所、業務内容、賃金、変更範囲、更新上限、休憩、休日、社会保険適用を自分の条件に合わせて確認します。

編集方針・免責

本記事は、フランチャイズ加盟検討者が従業員雇用、労働保険、社会保険、36協定、労働条件明示を確認するための一般情報です。特定の本部、契約、雇用形態、社会保険適用、労務管理の適法性、収益性を断定するものではありません。

主な一次出典:厚生労働省「労働保険制度(制度紹介・手続き案内)」「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」「主要様式ダウンロードコーナー(労働基準法等関係主要様式)」「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」、日本年金機構「新規適用の手続き」、e-Gov法令検索「労働基準法」。確認日:2026年7月21日。

運営主体:フランチャイズ比較ガイド編集部。公開日・更新日:2026年7月21日。